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日経平均とドル円の関係|円安・円高で株価はどう動く?

日経平均を見るとき、ドル円はよく確認される材料です。ただし『円安なら株高、円高なら株安』と単純化すると重要な部分を見落とします。為替が動く背景と、企業へ届く複数経路から整理します。

円とドルの為替変動と日本株の関係を表すビジュアル

ドル円が動く背景

ドル円は1ドルを何円で交換できるかを示します。数値が上昇する方向は一般にドル高・円安、数値が低下する方向はドル安・円高です。

ドル円が動く代表的な背景には、以下のようなものがあります。

  • 日本と米国の金融政策期待:日銀やFRBの政策方針への市場の期待変化。日銀の金融政策については日銀金融政策決定会合とは?、米国の金融政策についてはFOMCとは?も参考になります。
  • 日米の金利の変化:国債利回りなど長期金利の差の変化。
  • 景気への見方:日本・米国・世界の経済見通しの変化。
  • 投資家のリスク認識:世界的なリスク選好や回避の動き。
  • 資金移動:海外投資家の日本株・日本資産への資金流入出。
「日米金利差だけでドル円が決まる」とは言えません。複数の材料が重なり、そのときどきの主役が変わりながら為替は動きます。ドル円が動いたときには、どの材料が主な要因なのかを確認することが重要です。

参考:為替変動と日本経済(日本銀行)

為替が企業へ届く経路

為替の変化が日本株へ影響するとき、一つの経路だけで届くわけではありません。複数の経路を介して企業業績や株価評価へ影響します。

円安

ドル円上昇
海外利益の円換算外貨建て売上・利益
輸出採算への影響国内生産・海外販売
輸入コスト資源・原材料・商品
物価・金融政策への影響輸入価格経由

日本株への影響

企業業績・株価評価の変化

すべての企業へ同じ影響が出るわけではありません。事業構造によって、どの経路が強く効くかが異なります。

円安の影響

海外売上の円換算

海外で売上や利益を上げている企業は、外貨建ての収益を円へ換算します。円安になると、同じ外貨額でも円換算した金額が大きくなるため、決算上の売上や利益が押し上げられる場合があります。

輸出採算

国内で生産して海外へ販売する企業などでは、円安によって輸出採算が改善する場合があります。日本銀行も、円安が輸出採算や海外事業の円換算収益を押し上げる経路を説明しています。

参考:為替変動と日本経済(日本銀行)

輸入コスト

一方で、資源・原材料・商品を海外から調達する企業では、円安によって仕入れコストが増加する圧力が働きます。エネルギー輸入依存度の高い企業などは、円安がコスト増を通じて利益を圧迫する場合があります。

国内物価・金融政策

為替の変化は輸入価格や物価へも影響します。円安が輸入物価を押し上げれば、それが家計の実質購買力や企業の原材料費へ影響し、さらに金融政策の判断へ関係する可能性もあります。

ドル円の変化は背景で意味が違う

同じようなドル円の変化でも、その背景によって日本株への意味合いは異なる場合があります。

ケース1:米景気の強さ・米金利上昇を伴うドル円上昇

米国経済が強く、米国金利が上昇することでドル円が上昇するケースです。この場合、一部の外需企業では輸出採算や円換算利益の改善要因となる一方、米金利上昇がグローバルな株式評価の重荷になる可能性があります。ドル円そのものより、米金利の動きが主役になることがあります。

ケース2:日本側の金融政策期待変化を伴うドル円上昇

日銀の金融政策への期待変化でドル円が上昇するケースです。この場合は日本の金利環境変化や国内企業の資金調達コストへの影響が意識されやすく、日本金利・ドル円・金利変化の影響を受けやすい業種の反応を分けて確認します。

ケース3:世界的な市場変動の中で起きる為替変化

世界的な市場変動や資金移動の中でドル円が変化するケースです。この場合は為替そのものより、グローバルなリスク認識の変化が日本株へ与える影響の方が大きい場合があります。

重要なのはドル円の上昇・下落だけを見るのではなく、その背景を確認するという考え方を持つことです。背景が違えば、日本株のどの部分が反応しやすいかも変わります。

円高の影響

円高になると、海外売上や利益を円換算した金額が小さくなったり、輸出採算にマイナスとなったりする企業があります。一方で、海外から原材料や商品を調達する企業にとっては、円高がコスト低下につながる場合があります。

RIETIの産業別分析でも、為替と株価の関係には業種による差が確認されています。したがって、ドル円の数字を日経平均の単純な売買サインとして扱うのは避けた方がよいでしょう。

参考:為替レートと日本企業の株価(RIETI)

そのため「円高だから日本株全体を弱気に見る」と決めるのではなく、どの企業・業種に影響が大きい変化なのかを考えます。

株価と為替を同時に動かす要因

株価と為替が同時に動いているからといって、必ず片方がもう片方の原因とは限りません。世界的なリスク選好、金利変化、海外投資家の資金移動など、共通の材料から両方が動く場合があります。

日本銀行も、日本株と為替の相関について、海外投資家の行動や世界的なリスク選好が背景となる局面を分析しています。

参考:株価と為替の連動性(日本銀行)

日経平均予想での見方

  1. 水準より変化を見る。 前日からどちらへ、どの程度動いたかを確認します。
  2. 動いた理由を見る。 金利、金融政策、景気、投資家心理など背景を確認します。
  3. 業種への影響を考える。 円安・円高がどの企業にプラス・マイナスかを分けます。
  4. ほかの市場と合わせる。 日経225先物、米国株、金利と同じ方向の材料かを見ます。

たとえば夜間にドル円が大きく動いたなら、その変化を日経225先物がどのように受け止めているかを見ることで、日本株側の反応を確認できます。

為替と金利の関係については日経平均と金利の関係、ドル円を動かす米国経済指標については米CPI・雇用統計とは?も参考になります。

短期と中期で見方を変える

期間ドル円の見方
翌営業日現物市場終了後の急変と、先物の反応を重視
1週間程度数日間の方向と、金利・イベントの背景を見る
1か月程度金融政策、景気、企業利益とつながる中期トレンドとして見る

ドル円は日経平均を考えるうえで有用な材料ですが、答えではありません。どちらへ動いたか、なぜ動いたか、企業やほかの市場へどう影響しそうかまでつなげて考えるのが基本です。

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